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星野 一生; 滝塚 知典; 仲野 友英
Contributions to Plasma Physics, 50(3-5), p.386 - 391, 2010/05
被引用回数:6 パーセンタイル:23.46(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uタングステン実験から、プラズマ電流と逆方向にトロイダル回転速度を上げていくと、タングステンの炉心蓄積量が増加することがわかっている。解析を進めたところ、従来は考えられていなかった高Z不純物に特有と考えられる新しい炉心蓄積機構を発見した。トロイダル回転している炉心プラズマに混入した高Z不純物は、衝突により背景プラズマのトロイダル回転速度程度まで加速され、磁気面からの粒子軌道のずれが大きくなる。この結果、粒子軌道に沿って電子温度が変化するため、粒子軌道上に電荷分布が形成され、ポロイダル位置による磁気ドリフト速度の差から内向きピンチが生じる。この内向きピンチの大きさは、ポロイダル回転周期に大きく依存する。径方向電場によるポロイダル方向のEBドリフトはポロイダル回転周期を遅くし、この時のピンチ速度は数m/sと見積もられる。このような、粒子軌道の磁気面からのずれと原子過程に伴う内向きピンチは、モンテカルロ不純物輸送コードIMPGYROによるシミュレーションにおいても確認された。
滝塚 知典; 星野 一生; 清水 勝宏; 矢木 雅敏*
Contributions to Plasma Physics, 50(3-5), p.267 - 272, 2010/05
被引用回数:6 パーセンタイル:23.46(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクのSOL流には逆流等の複雑構造が形成されるが、その物理機構はおもにイオンの有限軌道巾の効果であることを、最近われわれは粒子シミュレーションにより明らかにした。このシミュレーション結果に基づいて、イオン軌道により誘起されるプラズマ流を流体近似で記述するモデルを構築した。トカマクプラズマを中心領域/遷移層/SOL領域に3分割し、イオン流体の磁場非捕捉成分と捕捉成分の効果を分離して、軌道誘起流のモデル式を構成する。衝突効果とポロイダル方向分布も取入れる。軌道誘起流はプラズマ境界域で大きくなる。この軌道誘起流の項を加えたイオン流体の新方程式を提示する。
Froese, A.*; 滝塚 知典; 矢木 雅敏
Contributions to Plasma Physics, 50(3-5), p.273 - 278, 2010/05
被引用回数:8 パーセンタイル:30.72(Physics, Fluids & Plasmas)1次元粒子コードPARASOLを用いた完全な運動論シミュレーションにより、SOL中の磁力線平行の電子熱輸送をソースとシンクの影響を考慮して調べた。熱流束の流体近似は、衝突が多いときSpitzer-Harm形式で表され、衝突が少ないときは制限された自由熱流束形式で表される。一般的に制限値は0.1程度の定数と考えられているが、ここではその制限値に対するプラズマパラメータ(衝突度やソースとシンクの様相等)の影響を調べた。制限値は衝突度減少に従って0.01から10まで変化しうる。高エネルギーテールがこの大きな変動に寄与している。Langevin型熱源の場合は電子エネルギー分布はMaxwell分布に保たれるので、制限値は0.05から0.3までの変化に収まる。また制限値が大きくなるには放射損失が重要であることもわかった。